2015年09月17日
子どもの学力をあげるには「インプットにご褒美」をあげるべき?
教育学者や先生と言われている人が語る教育論でさえ、ほとんどの場合が、自身の経験に基づくものであることが多いと思います。ゆえに、その教育論が誰にでも当てはまる訳ではありませんよね。
こういった点に疑問を持ったことはないでしょうか?
そこで今回は慶應義塾大学総合政策学部准教授で教育経済学を専門とする中室牧子さんの著書『「学力」の経済学』を参考に、“データから見る、目から鱗の教育方法”を紹介します。
■“今勉強しておくのがあなたのため”は経済学的には正しい
<おそらく多くのご両親が口にしたことがあるはずのこの言葉は、経済学的にも正しいことが明らかになっています。子どものころにちゃんと勉強しておくことは、将来の収入を高めることにつながるのです。>
経済学には、“教育の収益率”という概念があるようで、実際、教育投資への収益率は株や債券などの金融資産への投資と比べても高いことが、多くの研究で明らかになっているとのことです。
子どものころの教育は、とても大事だということがデータで証明されているのですね。もちろん教育学者の個人的な経験からくる見立ても、非常に大事ですが、こうしたデータでの証明も、かなり説得力を持つのではないでしょうか。
■勉強させるためにご褒美で釣るのは良いことか?
経済学的な観点から言うと、実はご褒美で釣ることは良いこととされているようです。つまり、子どもの学力が上がった、というデータが得られているというのです。
ただし、そのご褒美の設定の仕方によっては効果がないこともあるといいます。どういったご褒美の設定がいいのでしょうか。
ご褒美の設定には、“テストで良い点を取ったらご褒美をあげる”というアウトプット型と、例えば“本を一冊読んだらご褒美をあげる”というインプット型があるのですが、子どもの成績を上げたかったら、なんとインプット型が良いというのです。
<数あるインプットの中でも、本を読むごとにご褒美を与えられた子どもたちの学力の上昇は顕著でした。一方で、アウトプットにご褒美を与えられた子どもたちの学力は、意外にも、全く改善されませんでした。>
というように、「ご褒美をあげることで学力は上がりもするし、変わらない場合もある」ということがデータからハッキリするというのです。
経験に基づいた教育論としては、「ご褒美で子どもを釣るのは良くない!」と言いがちではないかと思いますが、データでみると実はそれが違う、ということです。
以上、“データから見る、目から鱗の教育方法”でしたがいかがだったでしょうか? 子どもの教育というのは、やはりとても難しいものですね。
こうした客観的なデータを取り入れて、ぜひ子どもの能力を飛躍的に伸ばしてあげてください。
引用 2015.9.17 WooRis